とある編集者の晒しな日記

コンクリートジャングル東京の編集プロダクションに勤めるライターの実験室

東京都民がオススメする前橋の観光スポット【ツッコミあり】

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群馬県前橋市の観光スポットといえば何を思い出すだろうか? ぶっちゃけ、前橋を観光地だと思ったことは一度として…そもそも、私のような東京都民から見れば前橋は通過することぐらいはあっても駅に降り立つことなどそうそう無い縁もゆかりも無い土地なのだ。

 

そんな私が初めて前橋駅に降り立ち、その魅力にどっぷりとハマった観光スポットをいくつかご紹介したいと思う。

1.赤城山

前橋の観光地として一番に挙がるのは赤城山だ。赤城山の山頂にあるカルデラ湖、大沼(おのと読む)に掛かる橋は、赤城神社に続いている。これからの時期、紅葉狩りにはぴったりの場所と言えるだろう。

 

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赤城山の紅葉(前橋市より借用)

 

また、赤城神社はパワースポットとしても知られ、赤城の神様にお願いした女性の願い事は必ず叶えられるとされるありがたいご利益も得られるそうである。デートスポットとして赤城山に立ち寄った際は、ちょっとした豆知識として赤城神社のご利益も必ず頭に入れておこう。

 

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※大沼に掛かる橋(前橋市より借用)

 

2.群馬県

赤城山の大自然を楽しんだ後は、ここをオススメする。群馬県庁の庁舎は、前橋市内でも最も高いビルであり、前橋のランドマークでもある。32階にある展望ホールからは利根川が一望できる(展望ホールは夜22時まで営業)。

 

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群馬県庁展望ホールからの利根川の眺め

 

また、現庁舎の横と向かいにある昭和庁舎や群馬会館は、国の登録有形文化財でもあり、現在もコンベンション施設やレストラン等として利用することができる。レトロな外観と高層階からの絶景を同時に楽しめるスポットとして、群馬県庁は押さえておきたい場所である。

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※群馬会館(旧庁舎)

 

3.登利平の鳥めし弁当

さて、朝から大自然と都会のランドマークを堪能して、お腹が空いてきた頃だ。昼食はあえて前橋で最も有名な弁当を紹介したい。ちょうど今登利平について調べていたのだが、2016年10月6日の「秘密のケンミンSHOW」で紹介されたばかりというのは本当なのか??なんという間の悪いタイミング…orz

 

仕方がないが、「登利平の『鳥めし弁当』くらい駅弁好きなら誰でも知ってるよ!」という方以外のために改めてご紹介したい。この鳥めし弁当、写真の胸肉だけを使った「竹弁当」で710円、外袋しか撮影できなかったが胸、もも肉を使った「松弁当」で820円と値段も手頃。

 

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※鳥めし弁当(左が「竹弁当」)

 

そして、なんといってもそのお味である。大変申し訳ないが、この弁当を食べるまでは、見た目がそれほどよろしくないので、味についても正直期待していなかった。登利平の本店で鳥めし弁当を注文すると、「何分後に食べるの?」とカウンター越しにおばちゃんが聞いてきた。約30分後だと伝えて「竹弁当」と「松弁当」を購入したのだが、これが実際に30分以上後に蓋を開けてもまだまだほっかほかなのだ。食べるタイミングを考えて温かさを調整してくれたのかどうかはわからないが、この鮮度と炭火焼きされた鳥肉のうまいこと!

 

これはちょっとした焼き鳥屋にもまったく引けを取らない、抜けるようなスモーキーな香りと、もも肉はもちろんのこと、胸肉も十分に柔らかくて秘伝のタレとマッチした上品な味。一度も召し上がったことの無い方は、是非とも登利平の鳥めし弁当をご賞味いただきたい。

4.前橋公園

せっかく買った鳥めし弁当をどこで広げればいいかって?それなら前橋公園で間違いない。前橋公園には、神社から日本庭園、果ては遊園地まで併設した多目的公園として、地元民に愛されている。芝生の敷かれた広場でシートを広げてハイキング気分を味わうのもいいだろう(持ち込み可との情報を元に書いたがマナーは規定に従っていただきたい)。

 

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※前橋公園

 

なかでもこの「るなぱあく」という遊園地、入場無料なうえに、乗り物が1回10円~50円と超格安。さらに、園内のもくば館にある電動木馬は国の登録有形文化財というから驚き。

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※るなぱあく(前橋市より借用)

5.焼きまんじゅう

小腹が空いたら群馬名物焼きまんじゅうを食べに行こう!前橋発祥とも言われる焼きまんじゅうは原嶋屋総本家さんと田中屋本店さんが有名だが、この日は田中屋本店さんを伺った。

 

田中屋さんはお世辞にも店構えが立派とは言えない。焼きまんじゅうの他にもパンや菓子類も扱っている、気軽に入れるお店だ。不覚にもこの焼きまんじゅうの味に関しても、食べる前は半信半疑だった。が、これもまた杞憂だった。

 

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※田中屋本店の「焼きまんじゅう

 

味のイメージとしては、みたらし団子の団子がもっちもちの生地にかわったと考えていただければ良いと思う。正直私はみたらし団子のタレが苦手だったのだが、焼きたての焼きまんじゅうのもっちり感と香ばしさといったら堪らない!しかも、平日に伺ったというのに地元民がひっきりなしに買いにくる。前橋市民(群馬県民)の食生活の一部になっているのでは?というほどジャンジャン焼きまんじゅうが売れていく。

 

あんこなしは5個210円だったと記憶しているが、あんこ入りの焼きまんじゅうも販売されている。前橋にお立ち寄りの際は鳥めし弁当に加えて焼きまんじゅうもおすすめしたい。

6.前橋文学館、アーツ前橋

前橋はアートの街でもある。萩原朔太郎や平井晩村といった詩人を多く輩出した街としても知られている。前橋文学館の前には広瀬川という利根川水系の川が流れており、富岡製糸場にさきがけてつくられた工場もあったという製糸業に利用された工業用水や水運業としても利用された美しい河川が、今でもその面影を残したまま残っている。

 

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※前橋文学館前の萩原朔太郎像(前橋市より借用)

 

反対に、アーツ前橋は近代アートを扱う美術館だ。実は、このアーツ前橋に常設展は存在しない。もっと言うと、収蔵された作品というものもほとんどないといっていい。若手のアーティストがその時々によって常に新しいアートを生み出している。

 

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 ※近代美術館「アーツ前橋」

 

閉店したデパートを改装して作られた当館は建築物としても数々の賞を受賞した。アーティストは、基本的に館内の施設をどうアレンジしても良い。壁に釘で穴をあけようが、天井から楽器を吊るそうが、病室を再現しようが何をしようが基本的には自由な空間なのである。アーティストの創造性を刺激する美術館としてさらなる活用が期待される。

7.まとめ

はっきり言って不完全燃焼である。前橋の魅力を伝えきれていないと思われる。この記事の補完ができる方がいれば読者の方にお願いしたい。

 

正直なところ、観光地としての前橋をあなどっていたことを平に謝りたい。萩原朔太郎をはじめとする近代詩人の巨星たちを育むにしても、最高の気候・風土に恵まれていたのが前橋だったのだと痛感させられる邂逅であった。